■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 1001- 最新50



レス数が1000を超えています。残念ながら全部は表示しません。

IP パケット − はるかなる旅

448 :名無しさん@お腹いっぱい。 :02/02/01 02:47
漏れはヒッキーだ。もちろん宇多田ではなくヒキコモリの方だ。
いつも外界からの干渉には見向きもせず無視している。
信頼できるのは自分だけ、そう他人は誰も信頼できない。

家に篭っていると玄関の扉を叩く音がする。
また誰かがやって来たのだ。
勝手に向こうから来る奴はもちろん無視。
ヤフオクや通販で買ったものを届けにやってくる奴だけが家に入れる。
そう、自分から先に注文した奴しか入れない。

そうやって暗い部屋の中で鬱な日々を送っていたが、
何気なく窓から眩しい外を眺めてみるとなにやら小さくて白い生き物が玄関のあたりを行き来していた。
また誰か漏れの心に入り込んでこようとしているのか?
漏れは誰にも干渉されたくない。もちろん無視だ。

しかし次の日も、そのまた次の日もあの小さくて白い生き物が玄関の前をうろついている。
懲りないやつだなぁ。
玄関の覗き窓から見てみるとそのそいつはオコジョだった。
何気に愛嬌があってかわいい。
よし、今回だけ特別にオコジョが入れる位の小さな穴を空けてやろう。

玄関に穴を空けるとすぐオコジョは家の中へ入ってきた。
オコジョは部屋の中のものを珍しそうに次々に眺めていった。
可愛いから餌でもあげてみようと、クッキーをあげてみた。
オコジョは出されたクッキーをきれいにたいらげ、満足したのか帰っていった。

次の日もオコジョは家へやって来た。
昨日上げたクッキーと同じものを持って来て、また部屋中をみて回った。
どうやら家がお気に入りらしい。

オコジョと遊んでいるうちに漏れの閉ざされた心はちょっとづつ開かれてきたようだ。
また他人を信じられそうな気がする。
そう、もうすぐ春だね。



掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver5.26+ (01/10/21-)